天然皮革(本革)にはエイジングや個体差など合皮には出せない魅力がたくさんあります。
革の性質を知るとよりレザー選びが楽しくなり自身のレザーへの愛着も増してくるはずです。
少しでも多くの皆様に革の魅力を知っていただけるようにここでは天然皮革ならではの魅力をご紹介していきます。
「革」を製造する上で、動物の「皮」を柔らかく腐らないよう加工する「鞣し」という工程があります。これにより「皮」から「革」へと変化します。
鞣しは今後の革の特徴を最も大きく左右するといっても過言ではない重要な工程の1つです。
鞣し製法の代表的なものは「クロム鞣し」と「タンニン鞣し」の2つです。
現代では大量生産が可能で生産効率の良いクロム鞣し革が多く供給され80%以上を占めるといわれていますが、タンニン鞣し革は手間とコストをかける分、
革本来のナチュラルな仕上がりになります。銀面の表情、エイジングなど天然皮革ならではの魅力はタンニン鞣し革の方が認識しやすいので革マニアの方はタンニン鞣し革を好む傾向にあります。
当店でもタンニン鞣しのレザーを多く仕入れているので今回はタンニン鞣しにフォーカスを当ててご紹介します。
クロム鞣しレザー
【ANNONAY ブラックレザー】
植物性タンニン鞣しレザー
【C・F・STEAD ブルームネイビーレザー】
銀面とは革の表面のことを指し、動物の肌のキメ細かさ、毛穴、血筋、シワなど個体差による表情は千差万別です。
タンニン鞣しの場合この個体差を残したまま使用できるので、自分だけの「唯一無二の表情」を味わうことができます。
動物の原皮には当然ながらたるみやシワがあります。
それを鞣して平らにする際に生まれる筋状の痕の事をトラと呼びます。
個体や部位によってシワの程度に差があり、一般的に牛の首から肩までのショルダー部位に
一番シワが集まりやすく、トラも入りやすい傾向にあります。
トラ模様は天然皮革にしか現れない個性でありトラの多さ、大きさなど出方は多種多様です。
天然の風合いを感じるワイルドな印象になる為、マニアの人を中心に親しまれています。
自分だけの表情、天然の刻印と捉えオンリーワンの魅力を感じられます。
動物の血管の痕が現れたものを血筋と呼びます。
革の銀面にうっすらと浮かぶ葉脈のような模様に見えます。
皮の薄い部位や血管が集まった部位に出やすく、トラと同様に個体差があり全く同じ見え方の革は二つと存在しません。
こちらも天然皮革の証として親しまれ、近年では血筋をあえて目立つよう天然の雰囲気を推しだした製品も人気が出てきています。
トラも血筋も革の品質に関わるものではないので個体差としてお楽しみ頂ければと思います。
タンニン鞣しの革への染色は透明感があり、革の質感によって色の見え方が大きく変化します。また先にご紹介した銀面のトラや血筋などもそのまま浮き出て見えます。
さらに個体差や部位差による厚みや硬さ、繊維密度の違いにより染色にムラが出来る場合があります。これを「色ムラ」や「染ムラ」と呼び、色の濃淡で自然な斑紋ができます。よりナチュラルな風合いで表情に奥行を感じ、味わい深い雰囲気を演出します。近代ではあえて色ムラをつくった革も生産されているほど天然皮革の魅力として親しまれています。
エイジング(経年変化)は天然皮革の最大の醍醐味といっても過言ではありません。エイジングとはその名の通り時間経過とともに革の表情が変化していくことを指します。こちらに関しても化合物を使ったクロム鞣し革ではほとんど変化せず、植物を使ったタンニン鞣し革は植物の特性同様、タンニンが酸化することで徐々に表情が変化していきます。さらにタンニン鞣し革の中でもオイルを多く含んだ「オイルレザー」は革内部のオイル成分が移動することによる表情の変化が顕著に現れます。
エイジングの出方は革の種類や加工によってかなり差が出ますが、環境や使用方法、頻度、ケアの仕方など使用者によるところの差も大きく現れます。(当店取り扱いの革ではマルゴーレザーが最も早く大きく表情が変化します) 使用中についてしまった傷も馴染みながら表情の一部となります。少し大げさかもしれませんが本人の性格や生き方を反映するため、まるでパートナーに対する愛着に近いものを感じます。
綺麗なエイジングをさせるためには定期的にクリームなどのケアが欠かせませんが、メンテナンスを繰り返し自分の納得いく表情を作り上げる楽しさは、天然皮革でしか味わうことのできない大きな魅力です。
未使用
半年間使用
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